ウォーターハンマーって響きがかっこいい!
どうも。水道屋のsinです。
わたしがこの仕事に就いた時、初めて聞く言葉がいろいろあったのですが、中でも「ウォーターハンマー」と聞いた時には「何それ?強そうじゃん!」というのが第一印象でした。
たまに全自動洗濯機の水が止まる時や、キッチンの蛇口を勢いよく「キュッ」と閉めた時に壁の中から「コン・コン」「トン・トン」って音がしませんか?
コレ、壁の中に小さなおじさんがいて、いたずらしてるわけでも、妖怪のせいでもありません。そう!「ウォーターハンマー」のせいです!
「ウォーターハンマー」ってなに?
正しくは「ウォーターハンマー現象」といいます。水道の蛇口を開け閉めする時にハンマーで叩いたような音がするのでそう呼ばれています。別名「水撃(すいげき)作用」ともいわれています。
なぜ「ウォーターハンマー」がおきるの?
ちょっと小難しく説明します。配管内を水が充満して流れている状態の時や、給水栓などを全開し圧力水が流出している時に、給水栓やバルブを急閉止すると、水の流速は瞬時にゼロとなるわけで、水は”非圧縮性”であるために、閉じた点(バルブ)の上流側で水のもっていた速度のエネルギーは瞬時に圧力のエネルギーに変換して、圧力(動水圧)は急激に上昇します。
この上昇した水圧が配管内で等しくなろうと作用して圧力波となり、管路末端に達するとそこで圧力波がストップさせられ、こんどは逆に急閉止したバルブ側へと逆戻りし、このような圧力波がいったりきたりということを配管内の全水圧が一定するまで繰り返される現象をいうのです。
次はもっと分かりやすく説明しますね。この現象は車に例えると分かりやすいと思います。車がものすごい勢いで急発進や急停止を繰り返すと、助手席に乗っている人はすごい衝撃を受けます。その上、後続車がいた場合には、玉突き事故も起きてしまいます。配管の中ではこの玉突き事故が至る所でおき、衝撃をうけて揺れてしまい、衝撃音が発生します。
どんな状況でおきやすいの?
●昨日まで何ともなく、急に鳴りだした場合、水圧が高くなったことが原因かもしれません。集合住宅の場合、給水設備が「高置水槽給水方式」から「ポンプ直送給水方式」になったり、戸建ての場合は、1次側引き込み配管の水圧が高くなったなどです。
●蛇口の開け閉めを瞬間的にしてしまう器具。シングルレバーや電気温水器、全自動洗濯機、食洗機など。
●水道管の固定がしっかり出来ていない場合。バンドで固定していない。もしくは劣化によりビスがゆるんでバンド自体が効いていない場合。
●鳥居配管になっている時。これは工事の時に施工した業者の知識不足によるものなので、入居した時から音がなっていたと思います。
そのままにするとどうなるの?
漏水する恐れがあります。しかも壁の中や床下などでハンマー現象を起こしている為、気づいた時には建具や床材にカビが生えたり、腐ってしまっている事があります。
配管材料にもよりますが、給水管にグレーのVP管を使っているとパイプと継手の接合部で亀裂が入ったり接着剤が剥離して漏れやすいです。
また、給湯管になめし銅管を使っている場合、ベント加工していると伸ばしたところが薄くなっており亀裂が生じやすいです。また接合部のロウ付け部分でも漏水しやすいです。
対策方法は?
●水道蛇口の開閉をゆっくりとする。
●水道元栓を絞る。注意:水量が少なすぎると給湯機が点火しなくなるので絞りすぎない!
●床下などバンド固定が可能なら固定する。
●ウォーターハンマー防止器(水撃防止器)を取り付ける。ボンパミニというカクダイ社から出ている物が有名です。種類があり、取り付けも簡単に出来ますし、値段も¥3500〜¥6000以内ですので個人的にオススメします。
まとめ
ウォーターハンマー現象は放って置くと大惨事になってしまいます。自分に出来る範囲で対策していきましょう。
中でもウォーターハンマー防止器は、比較的簡単に取り付けることが出来、成果も得られますのでオススメです。
下の写真の「ボンパミニ」シリーズはネットでも手に入れやすいのでおすすめです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今回の記事がお役に立てれば幸いです。
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